治療後

〜小説内抜粋〜

「ありがとう、甲 賀さん。」
「いいえ、どういたしまして。颯 樹ちゃんも、お疲れ様。」

消毒を終えて、甲 賀は颯 樹の頭を数回撫でた。
まるで親が子を褒めてるように。
だが、その優しい雰囲気もそこまでだった。
甲 賀は、颯 樹の前にあの吹き矢を置いた。

「さて、そろそろ話してもらおうかな、颯 樹ちゃん。」
「・・・何もお話する事はありません。」
「だよね。僕もそう思ったんだけど、このままだと君「間者」って事で処断されちゃうかもよ?僕に。」

ことある毎に狙われる命。
それには理由がある。
だが・・・それは絶対に言えない。
颯 樹は俯いた。

「別に僕はどっちでもいいんだけどね。ただ、濡れ衣着せられるのってさ、気持ち悪いから。」
「甲 賀さんは、私の行動を監視されてますよね。」
「うん。君を斬れるのは僕だけだからね。」

あっさりと肯定する甲 賀。
どうやら隠す気がないらしい。
穏やかな表情とは裏腹な言葉。
これが、甲 賀の怖いと言われる所。

「ところで君さ、なんで九 条さんの隊にずっといるの?」
「は?」




※こちら記載されております内容は、全てフィクションです。




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