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【 よぉ! 】 |
〜小説内抜粋〜 「よーやっと戻ったか、バカ息子。」 「戻りたくても、仕事がありすぎて戻れないんだってーの。少しは、アンタも復帰しろよな。」 「いやなこった。楽生活、手放してたまるかよ。」 「まったく。」 突然の言葉の応酬に、颯樹はついていけなく、目を数回瞬きした。 少しだけ和泉の斜め後に座った颯樹。 手が繋がれている為に、変な格好で頭を下げる羽目になってしまった。 「ん?・・・・ほう、懐かしい顔じゃねぇか。随分と大きくなったな、嬢ちゃん。」 「え?」 まるで自分を知ってるかのような言い方に、颯樹は思わず顔を上げてしまった。 海の男。 そう連想させるよう浅黒い肌。 豪腕な筋肉。 和泉とは似ても似つかない程の、豪快な笑み。 髭をはやしているせいか、余計に怖く見える。 和泉よりも一回りは大きい感じの巨漢。 どっしりと座ったその貫禄は、今だに海軍総帥と言っても過言ではない。 「俺の事、覚えてねぇかい?」 「・・・申し分けございません。」 「親父の顔があまりにショックで記憶から排除したんだろーよ。」 「なんつーこと言うガキだ、コイツは!!この素敵なお父様に向かって。」 「どこが『素敵なお父様』なんだよ。どこが!!」 「ここだ、この顎から首筋にかけてのラインがなぁ!」 必死になって説明する元海軍大将。 そんな親を無視するかのように、「気にすることないよ」と、和泉は颯樹にだけ微笑んだ。 先程までひな壇の上に乗っていた和泉の父・和泉尚武は颯樹の目の前に座り直した。 ニィっと笑う笑みが、一瞬だけ颯樹の脳裏をかすった。 「ま。何はともあれ、久しぶりだなぁ!宵姫。」 「よい…ひ…め…?」 |
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