【 これから、どうしようか? 】 |
(〜本編抜粋〜) 本来なら男が一人倒れるハズだ。 弾丸が米神に命中して、死ぬはずなのに、そんな事はなかった。 空気砲。 相手を驚かすだけの道具だ。 少しでもあの日 向を信用した自分を颯 樹は、激しく後悔した。 それでも一瞬の隙は作れた。 甲 賀に任せれば、隙なんてほんの刹那な時間でいい。 それだけで、甲 賀はやってくれる。 瞬時にそう判断した颯 樹は、その場にしゃがみこんだ。 颯 樹の後ろにいた男達は、甲 賀がその場で作った遠心力を利用して、大きく身体捻りながら、通常以上の威力を発揮し、その横一線の太刀筋一つで絶命させられていた。 布団が真っ赤な血に染まる。 颯 樹は甲 賀の脇腹をチラリと見つめた。 「やっぱり背中は隙だらけなんですね。」 「颯 樹ちゃんに言われたくないね。御利益もなかったみたいだし?」 「全くなかった訳でもないと思いますけどね。」 颯 樹は手に持っていた銃を、床へと捨てた。 甲 賀は颯 樹に刀を手渡した。 「これから、どうしようか?颯 樹ちゃん。」 「首謀者を斬ります。」 「あーっと、ちょっと待った。」 そのまま更 月 姫を絶命させるが如く、颯 樹が足を踏み出した瞬間。 甲 賀は颯 樹の事を腕を引き留めた。 「あと少し待ってね。あと。5…4…3…。」 甲 賀の数が終わらないうちに、正面玄関が破壊された。 その轟音と煙。 颯 樹は咄嗟に目を腕で覆った。 |
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